社内で実践!働き方改革の進め方(9)課題を挙げよう~その4【仕事編(仕事の進め方や偏り)】社員から効果的に意見を吸い上げる方法
【2018年10月2日公開/2024年5月5日更新】
働き方改革の進め方(8)課題を挙げよう~その3【組織体制・仕組み・社内規程や制度】では、「意識面」を見てきたニー。
課題の洗い出しも終盤に差し掛かってきたニーね。
今回は、業務を進め方おける課題や、業務の偏りについて見ていくニー。
これまでの「意識」や「組織」の課題は、インパクトが大きいけれど一般社員の方から吸い上げるというのは難しいと思うニー。
でも、今回の業務に密着した課題は、ぜひ一般社員の方からたくさん出してもらうと良いニー。
その時に大切なことは、事前に(1)今日は洗い出しであって解決する・しないは次のステップであること、(2)変革していくためには吐き出しが必要であることを共有してからスタートすることだニー。
社員の方の中には「聞くだけ聞いて、アクションは無しか…」と思う方もいると思うので、しっかりと共有しておくことが必要だニー。
働き方改革を進める上でよくある課題「仕事の進め方や偏り」
今回は、自分たちの働き方を見直すにあたって必要な「業務における課題」を洗い出します。
言い換えれば、「こんな仕事の進め方をしているから働き方改革が進まない・進められない」ということ。
ぜひこのパートは、社員の方とともに考えることをオススメします。
なぜなら、実際に働いているのは社員一人一人。
コンサルタントや経営層のみで「仕事に関する課題」を挙げたところで、不満が募るだけだからです。
社員の方とともに「仕事の進め方の課題」を考える際のアプローチ方法もも次で触れますので、ぜひ参考になさってください。
それでは、まずよくある課題を見てみましょう。
【仕事の進め方】
・手戻り(一度進めた仕事が振出しに戻ること)が多い
・紙ベースで行う仕事が多く、修正や差し替えなどに時間を要する
・社内資料の様式や、メール送信にルールがなく、標準化されていない
・業務の全体把握(仕事しらべ)が出来ておらず、計画的に進めることができていない
・アウトプットの品質を過剰に追及する
・属人化(その人でなければわからない)している仕事が多く、進め方が固定化されている
・アナログに進める仕事(対面・書面)が多く、他人のスケジュールに左右される
・個人のスキル(業務を進めるスキル・業務改善スキルなど)に偏りがある
・個人の業務量に偏りがある
・部署により業務量に偏りがある
社員とともに課題を洗い出す前に必ず共有しておくべき「なぜ働き方改革をするのか」
「明日、仕事における課題をたくさん出してもらいます。考えてきて下さい」
もしあなたがこのように言われたとしたら、どのように感じるでしょうか。
「よし、考えていこう!」と思う方もいらっしゃると思いますが、「出してどうするの?」「出したところで変わらない」とネガティブに捉える方もいらっしゃるでしょう。
まずこの課題の洗い出しをするときは、トップや経営層による「働き方改革をするための目的」が共有されていることが前提です。
もちろん、目的を共有して(話して)いても、腑に落ちている人・いない人はいます。
しかし、本気で働き方を変えていこうと思っていること、健康で長く働き続けられる環境作りをともに進めたいこと、これらをトップや経営者の口で語ることが大切です。
目的をまず共有したうえで徐々に進めていくと、全く信じずに疑ってばかりの人が、半信半疑となり、最終的には「変わるかも」「変えられるかも」という意識に変わっていきます。
人は、自分自身に関係する小さな変化を重ねることで、少しずつ意識が変わっていくもの。
言葉を聞いただけでなかなか火がつかない人も、徐々に自分の周囲で感じる変化は敏感に感じ取っています。
一度話して「ウチの社員には全く響かないから」と諦めるのではなく、少しずつ少しずつ、歩みを進めていってください。
そのうえで、課題の洗い出し会議の際は事前に、
(1)今日は洗い出しであって解決する・しないは次のステップであること
(2)変革していくためには吐き出しが必要であること
を共有してから始めてみましょう。
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色々な側面から課題を洗い出すために効果的な「3つの質問」と次につなげる「まとめ方」
社員のみなさんとの「課題の洗い出し会議」を開催し、「さぁ、課題を出してください」と言ったところで、思いつくまま挙げていたのではいくら時間があっても足りません。
ここでは、効果的な3つの質問を見ておきましょう。
社員の皆さんには付箋(75ミリ×75ミリ以上の大きさ)を配布し、一枚に一つの回答を書いてもらいます。
【3つの質問】
1.自分の仕事の中で、予定通りに進めることができない仕事は何で、それはなぜでしょうか
2.自分以外の仕事の進め方の中で、この仕事は「改善できる」あるいは「やめてもいい」と思う仕事は何で、それはなぜでしょうか
3.仮に現状の労働時間を1日あたり2時間減らそうと思った場合に、解決しなければならない問題・ことがらは何でしょうか。
これは、「自分」「他人」「もしも(仮定)」の視点から考えています。
もし2の他人の目線が、批判的になってしまうような場合(それまでに構築された組織風土において)は、「自分の仕事の中で」にしていただいても構いません。
この3つの質問をすると、仕事の進め方に対する様々な「課題」があぶり出されてきます。
【出てきた課題をまとめる】
1.似たような内容をまとめる
◆例
・手戻りが多い
・人(上司)によって指示する内容が違う
・マニュアルがない
・相手のスケジュールに合わせる必要がある
・人によって進め方が違う
・相手がよく休む
2.1にタイトルを付ける
◆例
・手戻りが多い
・人(上司)によって指示する内容が違う
・マニュアルがない
↓
「仕事の進め方が不明確」
・相手のスケジュールに合わせる必要がある
・人によって進め方が違う
・相手がよく休む
↓
「属人化(仕事が人についている状態)」
3.共有してその場を終える
■まとめ
今回は、課題の洗い出し「仕事の進め方・偏り編」というテーマのもと、よくある事例、社員の方と考える際のステップを見てきました。
例えば、改善会議やQCサークル活動などを行ったことのある会社と、そうでない会社とでは、進行のスムーズさが違うでしょう。
しかし、スムーズかどうかではなく、社員の方が本音で語り合えているかという点が大切です。
本音で語りあった場合は、その内容が不満だらけ、愚痴だらけであったとしても、「スッキリ」した表情になっていたり、会議との会話でいつもより饒舌になっていることが多いです。
(それは立派な変化であると言えます)
一方で、うわべだけで語り合った場合は、終わった瞬間、そのことには触れない、特に口数も増えないことが多いです。
繰り返しになりますが、なぜこの会議を行うのかという目的を共有したところで、腑に落ちている人・いない人、どちらもいます。
しかし、数を重ねる、時間をかけることが大切ですのでその点は焦らず、「しっかりと話せているか」「発言しづらそうな人はいないか」という点に注力するようにしましょう。
※意見の出る場作りは、以下のコラムを参考になさってください
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