社内で実践!働き方改革の進め方(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説

社内で実践!働き方改革の進め方(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説

【2018年6月13日公開/2020年3月12日更新】

本屋さんやニュースで「働き方改革」という言葉を見かけるニー。

法律も変わったみたいだニー。

でも、社員さんに話を聞いてみても「働き方を改革なんて、大手だけの話でしょ!」って答えが返ってくるニー。

本当に「大手だけの話」なのかニー?

そもそも、働き方改革なんて言葉、なんで出てきたニー?

今回は、すぐに分かる「働き方改革初級編」を見ていくニー。

なぜ、急に「働き方」について注目するようになったのか?


まず、働き方改革が騒がれ始めた「理由」から見ていきましょう。

あれこれ言われていますが、シンプルに説明すると、次の2つが大きな理由です。

1.世界(国連)から「日本は働き過ぎ!」「過労死やハラスメントで自殺者が出ているなんてもってのほか!」「何とかしなさい」と指摘されていた
(2013年国連社会権規約委員会 総括所見より)

→このままいくと、世界からの投資が期待できない可能性も出てくるので、日本の信頼回復を図らなければ!

2.少子高齢化が進み、2050年には65歳以上の人口が40%に

→単純に「働く人」が減るわけなので、「マンパワーで何とか」出来なくなる。もっと効率的に、あるいは働き方を工夫してやっていかなければ、日本経済が立ち行かなくなる!

そう考えた国(安倍政権)が、2016年に打ち立てたのが、アベノミクスの柱である「ニッポン一億総活躍社会」という政策の中で謳った「働き方改革」だったのです。

おそらく、みなさんが耳にされたのは早くても2016年頃だったのではないでしょうか。

しかし、国内で話題になる前から、世界(国連)からは指摘を受けており、「解決しなければならない急務」だったといえます。

その後、電通株式会社の女性社員の方の過労死(2015年)に対する強制捜査や、新国立競技場建設に関わっていた男性社員の方の過労死事件(2017年)が起こるなど、世間としても「働き過ぎからの脱却」というムードが漂い、そのさなか2018年4月6日「働き方改革法案」が国会に提出された、というわけです。

※2018年6月29日に成立した「働き方改革の関連法」解説については、【法律改正】2018年6月成立「働き方改革」の分かりやすい実務解説(1)~2019年4月から変わることをご覧ください。

働き方改革って、働く時間を減らすことだけじゃないの?


働き方改革で取りざたされるのは、「長時間労働」や「働く時間を減らす」「休日を取れるような環境づくり」など、“労働時間のこと”が多いです。

ですから、多くの方は「労働時間を減らすことが目的」だと思われているようです。

確かに、労働時間を減らすことも一つの目標ですが、それだけではありません。

もう少し具体的にみてみましょう。

【働き方改革とは?】

(1)働く時間を減らすこと
→残業(時間外労働)や休日出勤を減らす、休日を増やす、労働日数を減らす、効率的な(生産性の高い)働き方

(2)働き方の選択肢を増やすこと
→正社員orパートタイマーという選択肢だけではなく、テレワーク、兼業OKな職場、短時間正社員等、さらに自分で選択できる働き方を促進する

(3)働く環境を整えること
→定年年齢を引き上げることや、給料水準や評価基準を見直すこと

(4)働きやすい(働きがいのある)職場にすること
→仕事の進め方を改善する、組織風土を変える(人間関係をよくする)

なぜ、このような「改革」をしていかなければならないのでしょうか。

答えは、「誰もが活躍できる世の中を作るため」です。

例えば、「残業前提でしか仕事が成り立たない」職場だと、活躍できる人(働くことが出来るひと)が限られています。

しかし、これからの時代「働くことが出来るひと」は減っていきます。

「一握りの人しか活躍できない」状態ではなく、女性も、若者も、高齢の方(65歳以上の方)も、外国の方も、障がいを持つ方も、そしてIT(AI)も活躍できる世の中にするには、柔軟でしなやかな職場づくりをしていく必要があります。

そして何より、「働くこと」は「生きること」にも直結します。

働き方改革は、「国のため、会社のために働く時間を短くすること」ではありません。

どうすれば自分達がもっとイキイキと働くことができるか、あるいは生きることができるか、それらを考える一つのきっかけであるということです。

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誰のための「働き方改革」なのか~私たちに関係するのか


誰のための「働き方改革」なのか、働く私たちに関係するのでしょうか。

答えは「YES」です。

しかし、会社の経営者の方からも、社員の方からも、こんな声を聴くことがあります。

「働き方改革なんて、大手の話でしょ、ウチには関係ない」

「やった方が良いのは分かるけど、無理だよ、お客様の期待に応えないとウチはやっていけないんだから」

とはいえ、その一方で次のように感じていらっしゃるのではないでしょうか。

「これまで採用で苦労したことはなかったが、いまはなかなか採用できないな」

「今の社員が頑張ってくれているから成り立っているが、10年後も同じことができるかと言われると、悩ましい」

「あと5年後、自分の親が元気でいてくれるという保証はない。介護なんてことになったらどうしよう」

働く人が減っていること、
自分や家族の健康が損なわれていること(あるいは年を重ねていること)

というのは、「日々感じること」ではありません。

しかし、確実に時は流れ、状況は変化して行っています。
そう考えたとき、「自分には何ができるのか」「自社でできることはどんなことか」をやはり真正面からとらえ、行動していかなければなりません。

繰り返しになりますが、働き方改革は、どうすれば自分達がもっとイキイキと働くことができるか、あるいは生きることができるか、それらを考える一つのきっかけです。

「言われたから実行する」「法律できめられたから取り組む」ではなく、ぜひ自分ごととして。

イキイキと生きられる自分、会社・社会を目指して、取り組んでいきましょう。

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まとめ

今回は、「3分で分かる働き方改革解説」をお伝えしました。ポイントをおさらいすると、次の5つです。

1.働き方改革は、国連からの指摘と働く人の数が減っていることを受けて、国が始めた施策であること

2.働き方改革として取り組むゴールは、「労働時間を減らすこと」だけではないこと

3.働き方改革は、誰もが活躍できる世の中を作るためであること

4.働き方改革は、どうすれば自分達がもっとイキイキと働くことができるか、あるいは生きることができるか、それらを考える一つのきっかけであること

5.働き方改革は、「~ねばならない」ではなく自分ごととして取り組む必要があること

 

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