社内で実践!働き方改革の進め方(7)課題を挙げよう~その2【意識編(管理職・一般社員)】
【2018年9月18日公開/2024年5月3日更新】
働き方改革の進め方(6)課題を挙げよう~その1【意識編(トップの意識)では、トップの意識に潜む課題を見てきたニー。
今回は、管理職や一般社員の方の意識について見ていくニー。
仮にトップが「働き方を変えていこう」と言ったとしても、実際にそこで働くのは社員の一人ひとり。
だから、管理職や一般社員の方の意識の中にどういう課題(出来ない理由)があるのかをあらかじめ考えておくことで、社内へのスムーズな浸透化につながるニーよ。
働き方改革に対する【管理職】の意識「あるある事例」
※はじめに※
このステップは「課題把握」について記載しております。
●課題解決策よりも先に「課題を把握することが重要な理由」については、働き方改革の進め方(5)社内の「課題」を整理する~課題整理が必要な2つの理由とその方法をご覧ください。
まず管理職の方に潜む「よくある意識(課題)」を挙げます。
当てはまるもの、ここに書かれていることからインスピレーションされるもの、何でも構わないので「課題」と感じることをたくさん洗い出してみましょう。
【よくある意識(管理職編)】
(1)働き方に対して
・早く帰ると「暇なのか?」と言われる(思われる)など、遅くまで仕事している方がよいという意識
・有給休暇の取得を申請するとあまりよい顔をしないなど、「働いてなんぼ」という意識
・家に帰ってもすることが無いから、仕事をした方がマシという意識
(2)会社やトップに対して
・働き方改革について(自分が賛成・反対に関わらず)「どうせ無理・会社は変わらない」という意識
・トップが変わらなければ、自分たちがどう行動しても意味が無いという意識
・採用しても続かない若手社員ばかり。採用の方法をもっと変えていかなければ、働き方改革なんて意味が無いという意識
(3)働き方改革や業務改善に対して
・私たちの仕事は特別であり、働き方改革はそぐわないという意識
・管理職とは名ばかりで、実質プレーヤーで忙しくしているのだから、改革をしている時間は自分にはないという意識
・働き方改革をするより、一件でもお客さん回りをした方が売上・利益、ひいては自分の給料につながるという意識
・働き方改革には賛成だが、自分が加わり会社を変えるほどの意欲・時間は無いという意識
働き方改革に対する【一般社員】の意識「あるある事例」
次に、一番母数が多いであろう「一般社員」の方の意識について取り上げてみましょう。
実際に意識を把握するには、個人面談やアンケート、従業員意識調査などが有効です((参考)働き方改革の進め方(4)社内の「現状」を把握する)。
意識を把握する方法は、風土や規模によって最善の方法は異なりますが、「出てきた意識」は、いわば働き方改革に対する「課題」とも言えます。
だからこそ、正しく、より本音を把握をする工夫をして、どのような施策につなげるかを検討する題材にしていきましょう。
【よくある意識(一般社員編)】
(1)働き方に対して
・有給休暇や、ノー残業デーで帰ったところで、翌日以降の仕事が忙しくなるだけという意識
・特定の仕事について「この仕事は自分の仕事だ」という自負があり、他の人が行うのは嫌だ(あるいは無理だ)という意識
・早く帰ったところでしたいこと(すること)もないので、会社に残っていた方が良いという意識
(2)会社やトップ、組織に対して
・仕事を長時間(遅い時間まで)行っている方が「頑張っているな」と認めてもらえるのではないかという意識
・働き方改革をするのは会社の「建前」だけで、実際にはどうせ何も変わらないという意識
(3)働き方改革や業務改善に対して
・自分は与えられたことを淡々とこなすだけだから興味ないという意識
・仕事をすることが楽しいので、早く帰れというわれることが苦痛だという意識
・今の働き方に不満が無いわけではないが、やり方を変えたり、プロジェクトや会議に駆り出されるのは面倒だという意識
・自分も含めた全員が忙しく仕事をしているため、働き方改革をする余裕が無いという意識
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「意識」の洗い出しが終わったら、「課題の本質」を見つける魔法の質問!
ここまで、課題把握の中の「意識編」と題して、トップ・管理職・一般社員と「よくある意識」を見てきました。
これら出てきた意識から直接「課題の解決策」を導き出せるかというと、「出来ます」。
しかし、本気で働き方改革を進めるのであれば、1ステップ「分析」を挟むことで「より本質的な改革」をすることができます。
その分析が、「なぜ」分析と「もしも」分析です。
例えば、「有給休暇や、ノー残業デーで帰ったところで、翌日以降の仕事が忙しくなるだけという意識」という課題があります。
この課題に対する解決策を考えたとしましょう。
もし「業務が属人化されているから、代わりがきかない」のであれば、仕事しらべをして、仕事の交換(ジョブローテーション)や「減らせないか・止められないか」の分析をすることが有効でしょう。
しかし、もし「「代わってほしい」「助けてほしい」と言えない風土だから」だったとしたら、根本的に遮断されたコミュニケーションを復活させるところから始めなければ意味がありません。
このように、出てきた意識・課題に対して深堀することで、より本質的で意味のある働き方改革ができます。
そこで、出てきた課題に対して、次のような質問を投げかけてみてください。
●「なぜ」そのような意識が出来ているのでしょうか
●「もしも」朝、目が覚めたら「課題と挙げている事象」がなくなったとすると、それはどんなことが起こったから(何が変わったから)無くなったと思いますか
私たちはこれらを「なぜなぜ会議」と「もしもボックス」と呼んでいます。
時に「そんな仮定の話をして意味があるのか」と言われる方もいます。
しかし、課題の本質を把握するのに「なぜなぜ」と考えた方がスムーズな方と、「もしも…」と仮定の話で考えた方が考えやすい方、どちらもいらっしゃるのが現実。
だからこそ、「なぜ」「もしも」…と様々な角度から考えることによって、問題の本質を見つけやすくしているのです。
ここまで来ると、現実から目を離さずにしっかりと分析すること。
すると、意外と色々ある課題が起こっている理由は「たった一つ」ということもあるんですよ。
ぜひ、プロジェクトメンバーや部内のメンバーでやってみてください。
この話し合う過程が、組織にとって必ず宝物になります。
■まとめ
今回は、課題把握の「意識編」のうち、管理職・一般社員の方に潜む「あるある事例」を見てきました。
御社の管理職、一般社員の意識と合う点があったでしょうか。
10人いれば、10通りの考え方があります。
だからこそ一辺倒には行きませんが、「周囲に流されて持っている潜在意識」も少なからずあるはずです。
課題を吐き出しているうちに、自分のやり方に疑問を持ったり、あらためて声に出してみたりする方が少しずつ表れてくれば、それが「改革(改善)」の第一歩です。
一発で解決できるような「魔法」はありません。
しかし、地道にコツコツと積み重ねることが、組織にとって不可欠であり、それが実は一番の近道です。
自分自身、またともに進めているメンバーとともに「起きている変化」を意識しながら、少しずつ進めて行ってください。
実際に進める中で壁にぶち当たった時は、お気軽にご相談くださいね。
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