働き方改革のすべてが詰まった「就業規則」。自分たちの働き方を体現するツールにする方法
【2018年11月29日/2024年5月21日更新】
就業規則って、社員のどのくらいの割合の人が「見たことある」のかニー?
・規則の中身を読んだことがある人
・中身は読んでないけれど、「見たこと」はある人
・会社にあるのは知っているけれど。規則自体見たことが無い人
・会社にあるのかどうかも知らない人
色々な人がいると思うけれど、きっと「じっくり読んだことがある」なんて人は少ないニー。
結構大切なことが書いてあるんだけれど、触れる機会を作れないかニー。
就業規則は「社員が興味をもってはじめて」存在価値が生まれる
世間では「働き方改革」なんてことが言われていますが、働き方改革は単に労働時間短縮だけではなく、色々な意味が含まれるということは、社内で実践!働き方改革20のステップ(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説でも触れたとおりです。
労働時間はもちろんのこと、休み方、定年年齢、社員の種類、職場の風土…色々な側面を持つ「働き方改革」。
実は、これらすべてが「明記してあるもの」それが就業規則です。
そう考えれば、会社で働く社員が「就業規則に書いてある内容」に興味を持つことはとても意義のあることだと思います。
しかし、現実を見渡してみると「書いてある内容には興味が無い」「見たこともない」ということがほとんど。
これでは、就業規則としての価値が半減してしまいます。
もちろん、「何かあったとき(退職するとき、休むとき、出産するとき)に使う」ことは出来ますが、それでは「何か調べたいときの辞書」と同じです。
この「何かあったときだけ出動させる就業規則」ではなく、「自分たちの働き方に興味を持つきっかけ」として就業規則を活用してみませんか。
それが「プロジェクト型(参加型)で進める就業規則の作成」です。
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ある会社で「人事プロジェクト」を発足。
社内的には「自分たちの働き方(給与を含む)を見つめ直し、働きがいのある職場にする」という目的。
社外的には、そんな自分たちの働き方を発信し、「採用につなげていこう」という目的がありました。
まず、メンバーを集めてプロジェクトの目的や進め方を共有。
しかし、全く乗り気でないみなさん。
プロジェクトは毎回こんなスタートが多いです。
ただ、回を重ねていくうちに、普段は口に出せなかった想いが出てきます。
その集大成として「就業規則」という一つにまとめていき、プロジェクトメンバーの口から就業規則の内容を全社員に向けて発表していきます。
終了後メンバーの口からはこんな言葉が発せられます。
「はじめのうちは会社に対する不満ばかりを言っていたが、途中から“不満ではなく課題なんだ”と考えられるようになった」
「自分たちで働き方を考えていくと言われてもピンとこなかったが、実際に自分たちで検討し、社長に相談することで少しずつ変わってきた。自分たちが動けば変わっていくのだと実感することが出来た」
では、どんなステップで、どんなことを考えていくのか。
一つ一つの詳細な内容は各記事でご紹介しますので「就業規則がイキイキ」 から、ご興味あるタイトルをクリックしてください。
全体の流れは、以下にご紹介します。
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プロジェクトのすすめ方の鉄則:「発散→整理→収束」
「どんな風にプロジェクトを進めて行けば、そんな積極的に参加してくれるのでしょうか」
これは、良く聴かれる質問です。
確かに、「就業規則を見直そうぜ!」と呼びかけて、喜び勇んで参加される方はほとんど皆無。
ポイントは2つあります。
1.十分、意見を発散させること
2.根気よく「待つ」こと
会議の場でも面談でも、合意形成のステップは「発散→整理→収束」と言われていますが、プロジェクトでは特に「発散させること」を大切にしています。
人は、まず吐き出さなければ、新しい考えや意見を取り入れることはできません。
さらに、人は「嫌われるより好かれたい」人がほとんど。
そう考えると、「本音を言ってね」といったところで言えるはずがありません。
そのため、十分に発散させます。
すると、あるときにふと「本音」がで出すときがやってきます。
(早ければ2~3回目、大よそ4~5回目あたりが多いです)
そのための「根気」が必要です。
プロジェクトで取り上げるテーマ例は次の通りです。
1.キックオフ・全体研修
2.会社の強みと課題を考える
3.就業規則とは何か
4.会社で必要とされる行動(コアコンピテンシー)は何か
5.メンバー個別面談
6.ビジョン(みなで実現したい未来)は何か
7.仕事の意味・価値は何か
8.会社にとって大切な価値観は何か
9.就業規則で「自分たちらしさ」を表現する
10.就業規則のタイトルを考える
11.完成内容をみんなで検討する
12.全社員説明会
それぞれの項目は、詳しく各コラムでご紹介していきます。
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■まとめ
今回は、プロジェクト型(参加型)で就業規則を作成・改定していく意味と流れについて見てきました。
1.就業規則は「社員が興味をもってはじめて」存在価値がうまれる
2.【事例紹介】1年を通して自分たちの働き方を考え、就業規則にまとめた事例
3.プロジェクトのすすめ方の鉄則:「発散→整理→収束」
たかが就業規則と感じられるかもしれませんが、前述のとおり「自分たちの働き方を体現した唯一無二の存在である」と言っても過言ではありません。
「こうしなければならない」「こう書かねばならない」という捉われから解放され、ぜひ一度みんなで検討してみてはいかがでしょうか。
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