【名著から考える人材育成シリーズ】二番目の悪者(絵本)~コンプライアンス研修にも使える一冊
- 2019.08.28
- ニーちゃんのイキイキ日記
- コンプライアンス, 二番目の悪者, 人材育成, 研修
大人気「名著から考える人材育成」シリーズ。
今回は「二番目の悪者」という絵本を紹介するニー。
リーダー研修といった社内の人材育成にも使えるし、「コンプライアンス研修」の題材としても使えるニー。
チームメンバーで感想を共有すると、そのメンバーの価値観がわかって面白いニーよ!
ぜひ読んでみてニー。
「二番目の悪者」あらすじ~人が話していることや噂だけで「良い」「悪い」を判断してはいないか
※「二番目の悪者」のあらすじを紹介します。
どんな話か知りたくないという方は、次からお読みください。
ある国で、国王を決めることになりました。
立派な金のたてがみを持つ「金のライオン」は自分こそが国王にふさわしい人物だと思っていました。
しかし、ある噂が耳に入っていきました。
心の優しい「銀のライオン」がいる、という噂です。
気になった金のライオンが見に行くと、噂通りの優しいライオンでした。
このままでは「銀のライオン」が国王に選ばれてしまう。
焦った金のライオンは、噂を流し始めます。
銀のライオンは「実はとても気性が荒い」らしいよ
銀のライオンに「殴られた人がいる」らしいよ・・・と。
始めは信じられなかった噂も、
「その噂、私も聞いたよ」
「あの人も同じような噂を言っていたから、本当に違いない」と
いつの間にかどんどん広がり遠い国にいるネズミやペンギンまで銀のライオンを恐れるようになりました。
そして国王選挙のすえ、金のライオンが選ばれました。
国王になった金のライオンは、贅沢三昧で自分の好き勝手をしました。
その結果…国は荒れ果ててしまいました。
誰ともなくつぶやきました。
「どうしてこの国はこんなになってしまったのだろう」と。
そして、野原のすみで見ていた野ねずみが言いました。
「僕は聞いた話を、友達に教えてあげただけなんだよな。
でも、自分の目で何か一つでも確かめたっけ……?」
さて、国が荒れ果てたのは金のライオンだけのせいでしょうか…。
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真実を知らない中で「良い」「悪い」を無意識に判断してしまっている世の中
テレビの情報番組などを見ていると、一つのニュースに対して「こっちが正しい」とか
「あっちが悪い(間違っている)」といったコメントを見かけます。
もちろん、コメンテーターとしての役割を果たしているのであり、一人一人意見を持つことはもちろん良いと思います。
問題は、それらを「見ている私たち」です。
例えば、
「テレビで正しいといっていたから、正しい」
「あのコメンテーターがダメだと言っていたからダメなんだ」
と思ってしまうことはないでしょうか。
私たちは、テレビで伝えられていること「だけ」しか知りません。
しかし、そのテレビは「本当のこと」を伝えているのでしょうか。
偏ってはいないのでしょうか。
そのテレビの内容を「そのまま」信じて良いのでしょうか。
絵本「二番目の悪者」では、真偽を知らずに「聞いた話だけを信じ込んではいないか」と分かりやすく問うてくれています。
さらに、「聞いた話を(何も考えずに)そのまま伝える」ことがどんな結果を導く可能性や恐ろしさがあるのかを説いてくれています。
しかし、起こったことに対して真偽を確かめることなく、無責任に広めている私たちも実は同罪なのかもしれません。
社内でも起こっている「聞いたことだけで判断し、無責任に伝える病」
例えば、社内でハラスメント問題や、人間関係、仕事のトラブルなど何かしらの問題が起こったとしましょう。
その際、事実をよく確かめずに「人が言っていること」だけで判断してしまうことはないでしょうか。
「日頃からしっかり仕事をしてくれている◯◯さんが言うことだから間違いない」と先入観をもって判断したり、
「一見優しそうだけど、家ではよくキレているって聞いたよ」とどこまで本当か分からないことを無責任に人に伝えてしまってはいないでしょうか。
しかし、トラブルに対して、勝手な解釈を付け足したり、その様子を傍観し続ける人もまた、同罪かもしれません。
【一度チームメンバーで次の対話をしてみてはいかがでしょうか】
1.自分が知っていることの中で「正しい事実を知っていること」は何があるだろう
2.「正しいこと」と思っていたけれど、「よく考えると本当かどうかわからないこと」は何があるだろう
3.社内で大小関わらず問題が起こったとき、私たちはどんな順序で、どんな対応をすればよいだろう
4.私たちが働くうえで「これは許せない」ということはどんなことだろう
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■まとめ
今回は、 【名著から考える人材育成シリーズ】第三弾として「二番目の悪者」を読み解いてみました。
絵本は、分かりやすさと共に、深い問いをもたらしてくれます。
今回ご紹介した「二番目の悪者」も、いつも自分が「当たり前」と思っていることに、あえて疑問を投げかけてくれていると感じます。
チームメンバーや研修でこの絵本に触れてみて、感想を共有したり、話し合ってみると、その人なりの価値観や考え方が共有され、とても貴重な機会になる事と思います。
本文中で紹介した以下の問いかけ例も参考にしながら、対話されてみてくださいね。
1.自分が知っていることの中で「正しい事実を知っていること」は何があるだろう
2.「正しいこと」と思っていたけれど、「よく考えると本当かどうかわからないこと」は何があるだろう
3.社内で大小関わらず問題が起こったとき、私たちはどんな順で、どんな対応をすればよいだろう
4.私たちが働くうえで「これは許せない」ということはどんなことだろう
■名著から考える人材育成シリーズ
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