コロナウィルス 37.5℃の熱で休業を命じることは可能?給料はどうなる?
例年流行する「インフルエンザ」に加え、2020年はコロナウィルスで各社対応を検討されているニー。
厚生労働省も、毎日のようにQ&Aを更新しているけれど、よくわからない部分があるニー。
同じような質問を頂いているので、今回は対応についてまとめるニー。
(注意)この記事は、2020年2月27日時点の内容です。
状況に応じて変更になる場合があります。
37.5℃の熱がある社員に休業を命じることは可能?給料はどうなる?
コロナウィルスは、ニュースでも報道されている通り、潜伏期間があり、症状の有無も個人差があるという点が悩ましいところです。
企業としては、予防対策および万一接触者が現れたり、感染した際の対策について検討されていることと思います。
今回は、予防策を講じる際に寄せられる疑問についてお答えします。
Q 37.5℃の熱がある社員がいます。休ませてもいいでしょうか。休ませた方が良いでしょうか。
A
休ませるかどうかについては、企業判断になりますが、休ませた方が良いでしょう。
厚生労働省が発表しているQ&Aにおいては次のように表記されています。
発熱などの風邪の症状があるときは、会社を休んでいただくよう呼びかけております。
休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。
(引用元:厚生労働省が発表しているQ&A)
会社の指針として公表し、社員の方に周知することが必要です。
Q 37.5℃の熱がある社員を休ませた場合、給与についてはどうすればよいでしょう。
A
弊社の見解としては、37.5℃の熱があり社員の方が休んだ場合は、通常の病欠と同様の「欠勤扱い」または「有給休暇の取得」でよいと考えています。
理由としては、37.5℃で休むことは「会社の責任による休業ではない」と考えるためです。
ただし、もちろん企業が「特別病気休暇」として有給の休暇を与えることも結構です。
厚生労働省では次のように回答しています。
会社を休んでいただくよう呼びかけをさせていただいているところですが、新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。
一方、例えば熱が37.5度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
ただ、この考えでいくと「自主的に休む」と欠勤、「会社から言えば」休業手当ということになりますね。
普段であれば、37.5℃の熱があったときに出社するかどうかは、本人の基準であり、会社が一方的に「休みなさい」ということは、休業手当にもなるのでは、とも読み取れます。
しかし、弊社としては、労働法で有名な向井蘭弁護士の見解を支持し、以下のように考えています。
現時点において37.5℃の熱が出た場合、厚生労働省はコロナウィルスが広がることを防ぐために外出・出勤を控えるよう促しています。
また、37.5℃の熱がある状態で、通常通りの勤務ができかというと心理的にも体調的にも難しいでしょう。
それらを考えると、休業手当の条件である「会社の責任で休ませる場合」には該当しないせず、欠勤・有給休暇の取得で妥当ではないかと思います。
観光客減少やツアー中止などによる休業の場合は「休業手当」が必要
インバウンドが叫ばれている現在、観光客が多く来られることを見越して社員の方を雇用しているという事業もあるでしょう。
今回のコロナウィルスによって、観光客が減ることで売り上げ減少、雇用を維持が難しい…そんな状況に陥った企業様が、社員を休ませた場合には休業手当が必要です。
なお、休業手当を支給、あるいは休業時を利用して教育研修を行った場合には「雇用調整助成金」という助成金を利用できる可能性があります。
各種条件がありますが、最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。
その他については、以下の資料をご覧ください。
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を実施します」
予防策として、時差出勤や自宅勤務を促す場合には何が必要?
予防策として、時差出勤や自宅勤務を促す企業も増えてきました。
導入時に気を付けるポイントについては以下のページをご覧ください。
■コロナウィルス 時差出勤や在宅勤務を導入する場合には就業規則変更が必要?導入時のポイント
それ以外にコロナウィルス対策としてご相談がある場合は、以下からお問い合わせください。
■まとめ
今回は、コロナウィルス蔓延の予防策として企業が対応を悩まれる点についてみてきました。
コロナウィルス対策として、37.5℃の発熱がある社員に対して休むよう指示をしてもよいのか?
→よい
37.5℃の発熱がある社員に対して休むよう指示をした場合(社員が休んだ場合)、給与はどうすればよいか?
→病欠として欠勤控除、または有給休暇の取得を促すことでOK。
※休業手当の支給は不要
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