【まちづくり・組織づくり】悩んだからこそ表現できたチームの魅力~大阪市立難波市民学習センター「いちょうカレッジ~チーム力アップ講座」

【まちづくり・組織づくり】悩んだからこそ表現できたチームの魅力~大阪市立難波市民学習センター「いちょうカレッジ~チーム力アップ講座」

2018年11月~12月にかけて、「チーム力アップ講座(全3回)」の講師を務めました。

この講座は、平成30年度大阪市生涯学習まちづくり市民大学「いちょうカレッジ」の専科コースのスキルアップ講座として開催されたものです。

場所は、大阪市立難波市民学習センターさま。

まちづくりに関わられている方、企業でチーム力アップをしたいと考えられている方、定年後の人生をより豊かに過ごしたいと考えられている方などが参加してくださいました。

関わられている業界も、福祉関連や医療、人事関連、地域活性…など、さまざまな業界。

チームのメンバーが最大限の力を発揮できるよう、様々なワークを通じて「チーム力」を高めるための様々な手法を「まずご自身が体感」し、チームに持ち帰って活かして頂きたい、これが講座の目指すゴールでした。

チーム力アップに欠かせない2つの要素(1)「明確なビジョンを共有すること」

講座は3週にわたる講座で、週1回×3回で開催。

講座内容は次のとおりです。

第1回目「チームが目指す姿、強み、果たす役割を“見える化”する」
第2回目「チームのコアコンピテンシー(大切にすること・行動)を“言語化”する」
第3回目「チームの活動・魅力を1枚にまとめ、伝える」

講座でお伝えさせていただいたのですが、「チーム力アップに欠かせない2つの要素」の1つは「明確なビジョンを共有すること」です。

ビジョンとは、「ありたい姿」を表現したもの。
表現方法は様々で、文章やイラスト、動画、マンガ、物語…どんな表現でも構いません。

では「ありたい姿」を共有するのはなぜかというと、3つの目的があります。

1つ目は、「自分」が自信をもって「これこれに向かってやっています。一緒にやりませんか」と表現できるようにするため

2つ目は、「相手」が自信をもって「これこれに向かってやっているのであれば、一緒にやりたいです」と手を挙げられるようにするため

3つ目は、「周囲」が自信をもって「これこれに向かってやっているチームであれば、応援します」と賛同できるようにするため

例えば「幸せな世の中を作っていきましょう」と言ったところで、「何をもって幸せと感じるか」は人それぞれ。

幸せな世の中を作っていくとしたら、その「幸せ観」を具体化することで、自分自身も、相手も、周囲もより具体的なゴールに向かって行動することが出来るからです。

・自分たちはどんなチームになりたいのか
・自分たちの仕事は「どんな意味(表面的な目的ではなく、本当の目的)」があるのか
・自分たちが描く未来はどんな未来(社会・世の中)なのか

講座では、このような内容を様々なワークを通して深堀していきました。

チーム力アップに欠かせない2つの要素(2)「個を知る」


「チーム力アップに欠かせない2つの要素」の2つ目は「チームメンバーを理解する」ということ。

これは、「他のメンバー」のことを知るのはもちろんのこと、「自分自身」のことも知るという2つの意味合いが含まれています。

一緒にいる時間、活動する時間は長くても、意外と知らないもの。

・自分自身は、どんな価値観を持っているのか
・相手は、どんな価値観をもち、どんな行動を大切にしているのか

講座では、ワークをして対話を促すことで、相互理解を深めていく手法を体感していただきました。

いくら明確なビジョンを掲げても、「チーム」という個体があるわけではなく、組織しているのは「個」の集団。

その一人ひとりが活き生きと活動するには、「個を知る」ということがとても重要だからです。


3回講座の内、2回目は、メインテーマは「チームが大切にする価値観・行動を言語化する」ことでしたが、実はサブテーマも掲げていました。

というのも、2回目はペア(開始から終了まで同じペア)を組み「相手を知る・相手から引き出す」ことを集中的に行ったのです(1回目は、色々な方と交流を持つため、頻繁にグループチェンジを行いました)。

講座の1回あたりの時間は3時間。
3時間みっちり相手の価値観や大切にする行動を真剣に聞き出そうと向き合う。

自分自身も相手に誠実に向き合い、話をする。

その結果、終了時のお一人お一人の顔は「安心感に包まれたお顔」「笑顔」にあふれていました。

・自分自身が相手に向き合うこと
・自分の話に相手が向き合ってくれること

これらがどれほど人に信頼・安心感を与えてくれるか、参加された皆さんに証明していただいた結果となりました。

個を知る、相手を知ることはチーム力アップの根幹ですが、なかなか出来ていないのも事実です。

ほぼ初対面でも、ここまでの安心感を持つことが出来ました。

ぜひチームでも活かしていっていただきたいと思います。

チームの活動・魅力を表現し、発表する~仕上げ・まとめ

第3回目は、「発表会」でした。

第1回、2回と様々なワークを通して考えてきた「チーム」についてまとめ、自分の言葉で表現するというもの。

発表を通して以下の状態を目指して発表しようと共有し、発表シートを作成・発表しました。

この発表を聴いた人が
「広めたくなるような」
「応援したくなるような」
「自分も参加してみたいと思ってもらえるような」

発表をする

それぞれに、再度自分自身で内省し、言葉を「磨き」、表現をする。

さらに、見せ方も色々と工夫をされており、本当に素晴らしい発表でした。

★紙芝居を作って場づくりをされているIさん

★子ども達とそれを支える大人達で「こどものまち」づくりをされているFさん

他の方も、想いに溢れた、心温まるご発表で、まさに「応援したくなる」「紹介したくなる」発表ばかりでした。

これを聴かれていた主催者である難波市民学習センターのご担当者様も「感動しました!」と一言。

みなさんが正面から向き合ってくださったからこそ、内容の濃い、深いご発表だったと感じます。

発表を聴いているメンバーは、「発表ありがとうシート」にフィードバックを記入し、発表者の方にプレゼントいたしました。

編集後記

いちょうカレッジに集まって来られる皆さんは、本当に色々なお立場でいらっしゃいます。

年齢層も幅広く、地域、企業、子どもたち、コミュニティ…様々。

だからこそ、色々な視点があり、気付きを頂けるとても素敵な場だなと感じます。

今回、参加された皆さんの中には、うんうんと唸って考えていらっしゃる方、「なんか自分自身で腑に落ちないんですよね」と悩まれている方も居ました。

それは素晴らしいことだなと思います。

なぜなら、悩むということは「本気でチームのことを考えているから」。

どうすれば、良くなるだろう。
どうすれば、適切な言葉が見つかるだろう。

真正面から向き合い、表現された姿はとても格好よく、キラキラしていました。

今回の講座をきっかけに、さらなるチーム力アップを目指して進んでいかれることを願っております。

最後に、生涯学習センターという場を通して、まちづくり、チーム作りの良い機会に…とご尽力されている担当者様、いつも本当に頭が下がります。
ありがとうございます。

色々な方が集まり、交流し、知識を得たり、好奇心を湧かせたり、そんな場は本当に貴重だと感じます。

ご縁を頂いた参加者の皆様、主催者の皆様、本当にありがとうございました。