「やらされ感」ではなく「やりたい感」で自ら動くしごと～ムソー株式会社（大阪府大阪市）

自然食品、有機食品の卸売および販売をされるムソー株式会社さま。
東京・大阪に事業所と直営店（ムスビガーデン）を構えていらっしゃいます。

2018年、50周年を迎えられた同社。
2016年から「とある事業」を始められていると伺い、訪問させていただきました。

所狭しと育つ生き物たち

「とある事業」とは…自社農園での「自然農法による栽培」。

今回は、商品部の八坂さんと品質保証部の神原さんが畑に案内してくださいました。

自然農法とは、農薬や肥料を使わないことはもちろん、自然に近い形（雑草もそのまま、水も雨に任せてやり過ぎない）で育てる農法です。

「家庭菜園に毛が生えたものですよ」と言われ、案内していただいた畑でしたが、とんでもない！

とても広い敷地に、ジャガイモやトウモロコシ、ソラマメに大葉、イチゴ…と所狭しと作物が育っています。

伺うまでは自然農法は難しいと思っていたのですが、2年目を迎えられた畑はまさにイキイキと育つ場でした。

印象的だったのは蛙の多さ。
農薬を使う畑は、虫や生き物たちが寄り付かなくなりますが、ムソー様の農園は自然農法だけあり、たくさんの生き物に出会うことができました。

そんな中、弊社社員もじゃがいも掘りや大葉摘みを体験させていただき、楽しいひと時を過ごしました。

生産者の方の苦しみも分からず、無理をお願いしてきたこれまで

確かに、弊社は食品を取り扱う会社ですが、行っていることは「卸売」と「小売」。
生産は生産者さんに頼っていました。

私はこれまで、生産者さんに「もっと安くならないですか」「もっとこんなふうにならないですか」…と、無理ばかりお願いしてきました。

あるとき、「作る大変さ」も分かっていないのに無理ばかり言うのは…と思い、自ら作ってみたいと思ったのです。

社長から「やりなさい」と言われたのではなく、自ら手を挙げました。

というのも、作物を育てるということに対して、「言われたからやる」というやらされ感では、絶対に続かないと思ったからです。

今は、平日に１度と、土日のどちらかに畑を見に来ています。

畑にいるとつい時間を忘れてしまうくらい、楽しいです。

もともと農業は素人でした。
ですが、今の時代、本やインターネットにあらゆる情報が出ています。

試行錯誤しながらも、楽しく、色々な野菜を育てています。

自社に少しずつ広がる「命を育てる」意識

社員全員が興味を持っている！とまでは行かないのですが、家族で収穫をする機会や、会社に行く前に収穫した野菜を会社に並べ家に持ち帰ってもらうなどをするうちに、徐々に興味を持ってくれる社員が増えたように思います。

特に若手の社員の中には「農業をやってみたい」という社員も結構いて、今後広がっていけば良いなと思っています。

野菜の育ち方を知らなくても仕事は出来ますが、自ら育ててみてはじめて分かることもありますからね。

最終的には、生産から販売まで一気通貫できる事業に育てられたらと思います。

今はまだそれほど広くないですが、今後さらに広げていきたいと思います。