【会議・ミーティング改善に使える!】知ってると便利な「意見が出る場づくりの3要素」

【会議・ミーティング改善に使える!】知ってると便利な「意見が出る場づくりの3要素」

【2018年8月30日公開/2020年11月9日更新】

今日は、ある会社の「業務改善会議」に出ているニー。

ファシリテーターのお姉さんが「何か改善したいところはないですか?」と聞いているニー。

「コピー機の場所を動かすと効率的になるんじゃないか」
「○○会議の資料は印刷しなくても良いんじゃないか」
「・・・」

あれれ?意見が止まっちゃったニー…。

しかも、発言している人は決まった人で、全然話さない人もいるニー。

さて、どうしたものかニー?

その場は「安心・安全な場」ですか

会議やミーティングにおいて「なるべくたくさん意見を出してほしい」という場面は必ずあるでしょう。

意見が活発に出てきて、議論が活発に進む…そんな会議を目指しているのに、現実は「シーン」としている、「当てないと答えない」などの状態…。

ファシリテーターとしては「なぜ黙っているの!」と意見を述べない人を責めてしまいたくなるのも分かるのですが、考えておきたいことが3つあります。

意見が出る場づくりのための3要素

1つ目は「場の安全性」
2つ目は「質問のしかた」
3つ目は「答え方の工夫」

それでは、まず「場の安全性」について見ていきましょう。

場の安全性とは、一言で言うと「その場(会議・ミーティング)に居るメンバー間の信頼関係」。

例えば、参加者に次のような思いが潜んではいないでしょうか。

・この発言をしたら、上司ににらまれそうだからやめておこう
・あの仕事はムダだと思うけど、言うと先輩を否定しそうだからやめておこう
・その発言をしたら、自分の仕事が増えてしまいそうだからやめておこう
・どの発言しても、結局聞き入れられないんだから、言っても無駄だ

こういう状態では、いくら質問のしかたを変えて、答え方を工夫しても意見はなかなか出てきません。

社内の現状をまず把握し、信頼関係があるとは言えない状況の場合は、会議やミーティング冒頭にしっかりとその場の目的共有を図るようにしましょう。

例えば、業務改善会議であれば次のようなことを伝えます。

・今回、本腰をあげて部署内の業務改善をできるところからしていこうと考えていること
・この場は、取り入れる・入れないは別としてとにかく「いま仕事をしていて感じる不便を吐き出す場」であること
・出た意見のうち、何から手を付けていくか、どうしていくかはあらためて別の場で話し合うこと
・発言をした人に改善を任せるわけではないこと
・評価に関わるわけでもないので、遠慮なく吐き出してほしいこと

当然、信頼関係がすぐにできるわけではありません。
しかし、その言葉があるのとないのとでは、参加者の気持ちが随分と変わるはずです。

もし、業務改善会議をするはずが「不満が出てきてしまった!」という場合でも大丈夫。

意思表示をすることができるというのも、一つの大きな進歩だからです。
(参考:「会社に対する不満」を有効に活用!あえて爆発させることで次に進めるたった1つの方法とは

たくさん意見を出してほしい時は、「この場は安心・安全であることを宣言」してから始めるようにしましょう。

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質問内容を変えれば、答えが変わる?~適切な質問のしかた

例えば、「何か改善したいところはないですか?」と聞かれて、みなさんはすらすらと答えられますか?

思いついた点から答えていくことになると思いますが、これでは非効率的です。

なぜなら、質問の範囲が広すぎるから。

何か失くし物を探すときと同じで、「家の中でなくした」のと「会社までの道のりの“どこか”でなくした」のでは、かける労力は全然違います。

例えば、次のように区切ってみて聞いてみてはどうでしょう。

・会議(種類・進め方・内容・メンバー・時間)
・メールの送り方(内容・送付先・添付資料)
・社内の清掃(回数・担当・方法)
・会社のレイアウトや配置(OA機器・ゴミ箱・レイアウト・座席配置)

上記の他にも、社内の場所で区切る(事務所・工場・更衣室)、時間で区切る(就業時間前、午前、午後、就業時間後)などもあります。

漠然と「何か改善したいところを挙げてください」といわれるよりも、「現在行われている会議について改善できるところはないですか」と少し制限をかけて聞いてみる方が、参加者はイメージしやすくなります。

また、場合によっては、上記とは反対に、制限をかけすぎ(範囲を狭めすぎ)て答えが出ないようなケースもあり得ます。

例えば、「会議の回数について、何でもいいから意見を言って!」と言われた場合。

多くても1~2個でしょうし、「たくさん意見を」と求められても困ってしまいます。

その場合は、範囲を広げてみることが必要です。

このあたりのさじ加減は、一度質問をしてみて、参加者がイメージすることが難しいようであれば、広げたり狭めたりしてみてください。

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意見が出ない場合の特効薬~ポストイット、記入シート

参加者が10名の会議で、「10名全員がまんべんなく話す会議」というのは見かけたことがありません。

そのうち、少なくとも1~2人は「自分からは全く話さない人」がいます。

この1~2人が、「興味を持っていないから話さないのか」というとそうとは限りません(興味を持っていない場合もありますが)。

あるいは、自分からは全く話さないからといって意見を聞かなくてよいかというと、長い視点で考えると良いとは言えません。

意見を言わなければ意見を言わなくてよいと思い込んでしまう、あるいは、意見を考えることを止めてしまうことは、組織全体のレベルアップにつながらないからです。

では、どうすれば、参加者10名の会議で「10名の意見」が訊けるでしょう。

答えは簡単で、全員で話し合う前に、まず一人ひとり考えて、書き出す時間を設けるようにします。

ポストイット(付箋)を利用してもいいですし、事前に記入シート(簡単な枠組みだけ作っておく)を配布したり、あるいは白紙を配布して書いてもらうのも良いでしょう。

さらに、「出来るだけたくさん書いてくださいね」というのではなく、「最低○つは書いてください」と伝えます。

人の思考回路は不思議なもので、「1つで良い」と言われたら1つしか挙げず、「10個考えよう」といわれると10個でてきます。

こうして、声の小さい人の意見も「事前に書きだす」ことによって、意見を求めることができます。

とても単純で、社員研修などではよく行われている方法ですが、社内会議やミーティングの時に「わざわざポストイットを使ってやる」ということは、意外と少ないもの。

ぜひ、実践してみてくださいね。

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■まとめ

今回は、たくさん意見を出してもらいたいときに意識しておくと良い3要素についてお伝えしました。

1.場の安全性
会議・ミーティングの冒頭に「この場は安心・安全な場であることを宣言」してから始めましょう。

2.質問のしかた
「なんでもいいよ」といわれると、反対に答えにくいもの。適度に制限をかけて(範囲を限定して)質問してみましょう

3.答え方の工夫
会議において積極性は必要ですが、声の大きい人の意見しか拾わないというのは、組織全体のレベルアップにつながりません。
事前に記入する方法を利用して、全員が考え、全員が口を開く機会を作っていきましょう。

なお、会議の空気が重く意見がなかなか出ないときの方法は、「【事前準備不要】会議やミーティングで意見が出ない!空気が重たい…そんな時の解決策11」を参考にされてみてください。

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