【チェックポイント付】社内プロジェクトの成功を左右するメンバーの選定方法7のコツ

【チェックポイント付】社内プロジェクトの成功を左右するメンバーの選定方法7のコツ

【2018年7月17日公開/2019年7月2日更新】

あれ、今日の会社様はやけにプロジェクト(会議)の人数が多いニー。
発言している人が限られていて、何だか議論が活発に出来ていないような気がするニー。

でも、別の会社さんでプロジェクトメンバーが少なくてあまり意見が出ないときもあったし、そうかと思えば、たった3人でも活発に議論している会社もあったし…。

メンバー選びや人数って、難しいニー。

職位、勤続年数…どんな人をメンバーに選べば良いの?ここをチェック!メンバーの属性

プロジェクトメンバーの行く末を左右するといっても過言ではない「メンバー選定」。
社内でプロジェクトを立ち上げるときに、どんなメンバーを何人くらい選ぶと良いのでしょうか。

まず「どんなメンバーを選べば良いか」というメンバーの属性についてみていきます。

※なお、ここでいう「プロジェクト」とは、人事に関するプロジェクト(採用・評価制度・就業規則づくり・人材育成)での経験をもとにご紹介しておりますが、他の分野でも共通する項目は多いですので、参考にされてみてください。

チェック1 役職(ただし役員クラスは除く)・職種・プロパ社員/中途社員、性別など、色々な方がいた方が良い

刑事もののドラマなどで「色々な人の寄せ集め部署」を作り、意外とその部署が活躍するというストーリーがありますが、実は現実の世界でもいえることです。
人は、自分と似たような人と集まると「安心する」「居心地が良い」と感じるものですが、それではプロジェクトはうまく行きません。

なぜなら、プロジェクトは「色々な立場の人と意見を交わすことで、新たな意見、新たな道を発見するなかで、相互理解を計る目的がある」ためです。つまり、プロジェクトは成果と同じくらいその「過程」が大切であり、充実した「過程」を辿るためには、同じような考え方の方ばかりではなく、違う価値観・意見・仕事内容の方が意見をぶつけて議論することが重要なのです。
ですから、メンバー選びに迷った時は、「あえて色々な立場の方を候補に挙げてみる」ことをオススメします。

なお、もちろん、どんな立場・価値観であっても「相手を尊重する気持ち」があることが前提です。

チェック2 「この方はこれからぜひ活躍してほしい」という人材を選ぶ
社内でプロジェクトを立ち上げる時、よく事情がわかる、あるいは話し合いに慣れているリーダークラス(役職者など)をメンバーに選ぶことが多いです。
当然、リーダークラスの方もメンバーに選んでいただいて構わないのですが、1人や2人は、「いまはリーダーではないが、今後活躍してほしい」と思う人材に入っていただくことをオススメします。プロジェクトを立ち上げて一つの経営課題に立ち向かう時、「いま自分がしている仕事」とは別の広い視点で会社をみる良い機会になります。また、話し合いに慣れていない方も、場に慣れることで徐々に意見を言うことができるようになるため、「その雰囲気を味わう」ということが貴重な経験となるからです。もちろん、「活躍してほしい、期待の星の人材」は、他の仕事でも引く手数多かもしれません。
その時は、どの仕事・どのプロジェクトに入ってもらうことが、会社にとっても、本人にとっても一番良いかを吟味して決めてくださいね。

チェック3 「人事」プロジェクトに向いている人は、ズバリ「隠れおせっかい屋さん」

世の中には色々な職種がありますが、「人事」という仕事を生き生きされている方の共通の特徴は、「隠れおせっかいな人」です。
隠れおせっかいとは、目立って「人の世話をします」という方でなく、気づいたら人のサポートをしている、自分が前面に出るのではなく他人の言動に興味がある、人と人との潤滑油のような役割をされている方。

例えば、営業職やエンジニアなど、全く人事と関係ないお仕事をされている中でも、「人事(つまり、仲間の活躍を考える仕事)」をしてみるとピタッとはまる方もいらっしゃいます。

人には、それぞれお役目があります。
自分を前面に出して活躍される方もいらっしゃれば、仲間がどうすればもっと生き生きと働けるかを考えることが得意な方もいらっしゃいます。
ぜひ御社の「隠れおせっかい屋さん」の方から、人事プロジェクトにぴったりの方を選んでみてくださいね。

多すぎても少なすぎてもダメ?社内プロジェクトの適正人数とは?

それでは次に、プロジェクトメンバーの適正人数と、絶対に1人は居てほしい人材について見ていきましょう。

チェック4 「みんなで」話し合える人数は6人まで

社内プロジェクトを立ち上げた際、一回のプロジェクトに充てられる時間はおそらく2~3時間が限界でしょう。

その限られた時間の中で、参加者一人一人が自分の意見を伝え、出た意見をしっかりと聴くことができるのは、6名までだと感じています。
これは「一人のリーダーが直接管理(把握)できる人数は何か」を語ったスパン・オブ・コントロールの研究で言われている一般的な人数5~7名という数字、また、弊社が行ったプロジェクトやお客様の会議に参加させていただいた、その経験値からくる人数です。
ポイントは、「一人一人が意見を述べられる時間」と「自分が集中して話を聞くことができる時間」とのバランスです。
人数が多いとその分自分以外のメンバーの意見を聞く時間が多くなり、どうしても注意力が落ちてしまう可能性が高くなるのです。

もちろん、普段から自分の意見を述べる風土のある企業や、いつも議論しているメンバーであれば、もう少し多くてもバランス良く全員が話し、相手の話を聞くことができます。

しかし、社内でプロジェクトを立ち上げたときは、普段話さない顔ぶれや、意見を述べ慣れていない人も入ることでしょう。
そう考えたときに、もし7名以上その場にいると、どんなに工夫しても、必ず「心ここに在らず」の「傍観者」が出てしまう傾向にあります。

なぜなら、「自分以外のメンバーの話に集中するということが、人数が増えると難しいから」です。
もし7人以上になる場合は、例えば3人組で話をしてから全体で共有するという風に、少人数の場を作るなどの工夫をして、意見を言う・意見を集中して聴く時間を作りましょう。

チェック5 メンバーに1人は居てほしい「影響力のある人」

「影響力のある人」とは、一言で言えば「この人の言うことだったら聞こう、と思われている人」。
それは役職者などの職位を利用してではなく、他の社員から信頼を得ている人という意味合いです。

プロジェクトは、プロジェクトメンバーで行います。
しかし、そのプロジェクトが成功するかどうかは、プロジェクトメンバーが渦となり、メンバー以外の他の社員をどれだけ影響を与えていけるかどうか、です。

決定事項や、話し合いたい内容をメンバー以外に下ろしたとき、「この人の言うことならば聞いてみよう」と思ってもらえるかどうかはとても大切なこと。
そういう意味で、「信頼を得ている人」「人気者」がメンバーに入っているととても良いでしょう。

良いスタートを切るためのオススメのメンバー選任方法


最後に、メンバーの選び方について見ていきましょう。
同じメンバーを選んだとしても、その選び方・任せ方によってプロジェクトの雰囲気はガラリと変わります。

チェック6 プロジェクトメンバーの選定方法は、立候補制ではなく指名制が良い

社内プロジェクトというと、各自が手を上げて参加する、つまり立候補制の方が良いのではないのか?と思われがちです。
確かに、自主性を重んじるという意味では立候補を募る方法も有効です。

しかし、なかなか難しいことも事実です。
なぜなら、プロジェクトは「形が見えないから」です。

例えば、開発部門で、「新製品開発プロジェクト」を立ち上げるならば、「仕事の延長」ですからイメージもつくかもしれません。
しかし、例えば「各部署横断で働き方を考えるプロジェクトを立ち上げます」と発表した時を想像してみてください。

果たしてどんな議論がなされるのか、自分はそこでどんな役回りをすれば良いのか、すぐにイメージできる人は少ないのではないでしょうか。
プロジェクトは、新しいことを始めようとするときに立ち上げることが多いもの。
発足する経営者の中にはイメージはあるかもしれませんが、それ以外の方の頭の中は「真っ白な状態」だということを肝に銘じておく必要があります。

また、立候補制にしたときに手を挙げやすいようにと、経営者の中にある議論のイメージ、また行き過ぎたときは「(今から話し合っていく予定の)結論」までをたくさん話されるケースもありますが、これは逆効果。
仮に、立候補でメンバーが集まったとしても、プロジェクトが始まってから議論が広まりません。
なぜなら「経営者の中にあるイメージの影響を受けているから」です。

以上のように、無理して立候補制にするのではなく、「この人こそは」という方をしっかりと選び、指名した方が良いスタートを切ることができます。

チェック7 指名するときに話す内容は「2つの”なぜ”と熱い思い」

メンバーを選び、いざその該当者にプロジェクトに参加してほしい旨伝えるとき、どのようなことを伝えれば良いのでしょうか。

ポイントは「2つの”なぜ”と熱い思い」です。具体的には次の通り。
・なぜこのプロジェクトを立ち上げるのか
・プロジェクトにかける熱い想い
・なぜあなたを選んだのか、具体的にあなたのココを活かしてほしい

人が行動しようと思うのは、自分自身が「そうした方が良い」と思ったときだけです。つまり、人から言われからではなく、人から言われたことにより「心が動いた」からです。
それでは、どうすれば「心が動く」のか。

それはたった一つ、「なぜ自分を指名してくれたのか」が理解できたとき。
いくら高尚な目的を持つプロジェクトであっても、そこに「自分」がリンクされていなければ、心は動きません。
つまり、「自分ごと」にするには、そのプロジェクトと自分との接点、なぜ自分なのかを「自分の脳」に納得させる必要があるのです。

そのため、プロジェクトを立ち上げた目的、熱い想い、そして最後に「なぜあなたを選んだのか」をしっかりと語って伝えましょう。
そして最後に、必ず疑問点や不安点をじっくりと聞いてあげましょう。

そうすれば、第1回目の「顔合わせ」が良い雰囲気のもとスタートが切れること間違いなしです。

■まとめ

メンバーの選定は頭を悩ませるかもしれませんが、社員一人ひとりをしっかりと見る良い機会でもあります。
単に「仕事ができるから」ではなく、その人個人の持ち味、個性を考え、ここで述べた7つのチェックポイントを元に選任してみてくださいね。

チェック1 役職・職種・プロパ社員/中途社員、性別など、色々な立場の人が入っているか
チェック2 「この方はこれからぜひ活躍してほしい」という人材は入っているか
チェック3 「隠れおせっかい屋さん」が入っているか
チェック4 メンバーの人数は6名以下、または7名以上の場合は進め方の工夫を考えられているか
チェック5 社員から信頼されている「影響力のある人」はメンバーの中にいるか
チェック6 メンバーは立候補ではなく指名制で選任したか
チェック7 指名する際、「2つの”なぜ”と熱い思い」を話したか

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