就業規則「総則」何を書くのか~いきいき就業規則の作り方のコツ

就業規則「総則」何を書くのか~いきいき就業規則の作り方のコツ

「そうそく(総則)」って難しい言葉だニー。

なんで就業規則は、こんな難しい言葉から始まるのかニー。
これじゃ、1ページ目ですでに読みたくなくなるニー。

例えば、小さい子が読む絵本や図鑑は、どんな言葉からはじまるか二ー?

「はじまりはじまり」
「この本を読むにあたって」

そんな感じだニー。
就業規則も「はじまりはじまり~」で始まったら、楽しいのニー!

「総則」において一般的に書いてある内容とは

一般的に就業規則は、目次をはさんで「総則」からスタートします。

そもそも「総則」とは何でしょうか。

辞書によると、「全体を通じて適用するきまり」「全体に適用する包括的な規定」とあります。

具体的にどんなことが書いてあるかというと、厚生労働省が出しているひな形では次のような内容が書かれています。

1.目的
→どんな目的でこの就業規則があるのか
2.適用範囲
→誰に関係のある(適用される)就業規則なのか
3.規則の遵守
→会社は規則に書かれている労働条件で社員を働かせる義務を負い、社員は規則を遵守する義務を負う

その他、社員の種類(正社員・契約社員・パートタイマー)や、規則を変更するときの手続きなどを書くこともあります。

とても大切なことが書いてありますが、これでは「読んでみよう」という気にはあまりならないのではないかと思います。

なぜなら「総則」という言葉自体、法律に出てくる言葉であり、堅いイメージがあるからです。

なぜそのような堅い言葉を使うかというと「見た時に目が輝く!ついつい読んでしまう就業規則の作り方~なぜツマラナイ就業規則が多いのか」でも触れたとおり、法律上の言葉そのままを引用しているからです。

しかし、就業規則の「書き方」「表現方法」については、制限はありません。

「総則」という言葉で書かなければならないという法律はどこにもなく、
違う言葉に変えても全く問題はありません。

それでは、お笑いでも「つかみはオッケー」と言いますが、
「つかみ」、つまり書き出しでもう少し興味をひく工夫が出来ないものでしょうか。

全社員で考えたい「わが社の存在意義」「この規則がある理由」

就業規則、つまり「私たちの働くルール」を表現するときに、必ず入れておきたいのが「このルールを何のために作ったのか」ということ。
目的・存在意義と言っても良いでしょう。

「この規則を守りなさい」と厳しく制限するのか、「この規則をベースに、イキイキと働き、良い会社を作り上げていきましょう」と書くのか。

そして、「ルールの存在意義」を表現するにあたって、必ず考えるべきことは「自分達の会社がこの世に存在する理由」と「自分達のしごとの意味」です。

なぜなら、就業規則の作成は、経営目標・良い会社にするための「手段」であって、「目的」ではないからです。

これまでのコラムで、就業規則の作成は企業の成長機会にすることができると述べてきました(参考:「会社を守る就業規則」は要らない~就業規則を作るのは何のため)。

私どもが就業規則の作成をする際、またはプロジェクトを立ち上げてメンバーとともに創りあげていく際、必ず行うワークがあります。

それが、「世の中から見た自分達のしごとの意味」です。

営業でも、経理事務でもどんな仕事でも必ず「意味」があります。
その仕事を「何のため?」と深堀していきます。

一例として、私どもが行っている「社員研修」について深堀してみた内容を紹介しましょう。
出てきた答えに対し「何のため?」と聞いて深堀していきます。

(例)社員研修
→日々の業務から立ち止まり考える機会を作るため
→働くことの意味、仕事の価値を感じるため
→生きがいややりがいを感じて働くことができるようになるため
→人生豊かに過ごすことができるようになるため
→子どもが「お母さんは素敵な仕事しているんだ」と感じ、子どもたちが明るい未来を感じるため

何のために、どんな目的を持って社員研修という仕事をしているかは、人によって違うと思いますが、私どもが考える社員研修という仕事の意味は上のとおりです。

例えば歯科衛生士さん

例えば事務をされている社員さん

こんな風に、就業規則を作成・見直すタイミングで、「世の中から見た自分たちのしごとの意味」を考える。
そしてそれを、就業規則に反映させていきます。

「こんな書き出し(総則)で始まる就業規則」事例紹介

就業規則は何のために存在するか、突き詰めて考えるとみなさんが事業を通して成し遂げたいことを実現するための「一つのツール」ではないかと思います。

さらにもう少し噛み砕くと、そこで働く社員の方の働き方を表すものであると思います。

そう考えた時に、働く方の大半の固定観念に存在する「就業規則=縛るもの」という考えを、少し払しょくする必要があるのではないでしょうか。

前述した厚労省の就業規則のように、

会社は、この規則に定める労働条件により、労働者に就業させる義務を負う。
また、労働者は、この規則を遵守しなければならない。

と書かれると、「守らなければならないもの」という感想になりますが、例えばこんな就業規則の書き出しはどうでしょう。

《株式会社Moutain Gorilla様(大阪府大阪市・IT業)》

※こちらの会社様では、自社をMGと呼ばれ、社員のことを「ゴリラ―」と表現されています。

■まとめ

今回は、就業規則の「総則」について見てきました。

総則に書かれている事柄はとても大切な内容です。
しかし、「総則」という言葉は、決して一般的な言葉とは言えません。

たかが「言葉」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、言葉はとても大切です。

書き出しで「自分達のためのルール」と捉えるのか「会社が勝手に決めたルール」と捉えるのかによって大きく異なるからです。

だからこそ、総則を見直すとともに「世の中にとって自分のしごとはどんな意味があるのか」、ひいては、「私たちの会社はどんな意味・価値を提供しているのか」、ぜひ御社の社員様とともに考えてみてはいかがでしょうか。

自分達も就業規則づくりに携わっていると感じられることで、興味を持つきっかけになりますよ。

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